最近よく聞く「グルテンフリー」という言葉。実際に耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。
近年「小麦アレルギー」「グルテン不耐性」などが増加傾向にあると言われています。
そうでなくても現在、小麦の危険性を訴える人がどんどん増えているようで、欧米では徹底して避ける「グルテンフリー」を実践している方々も多いようです。
この記事では、グルテンフリーとは何か、そして効果などについてご説明させていただきます。
グルテンフリーとは?
小麦などグルテンを含む食品を摂らない食事法のことです。
もともとは、小麦グルテンが引き起こすとされる小麦アレルギー・セリアック病・グルテン不耐症などの予防・改善のための食事療法ですが、最近では海外セレブやスポーツ選手などが「美容と健康のため」「パフォーマンスを向上させるため」などとして取り入れたり、欧米ではごく一般的なライフスタイルとして広まっているそうです。
日本ではまだまだグルテンフリーに対する理解が少ないこともあるようですが、国内でも徐々に広まってきているのは事実のようです。
グルテンフリーの効果
一定期間グルテンフリーを続けることによって、次のような効果があると言われています。
- 美肌
- 便通が良くなる
- 胃腸の働きがスムーズになる
- 血糖値・コレステロール値の安定
- 鼻炎・結膜炎の改善
- 頭が冴える
- 持久力の向上
- 体が軽くなる
- 疲労感の減少
- イライラ減少
- 心の安定
- 食欲の安定
- 皮膚病の緩和
- 口内炎・口角炎の改善
- 冷えやむくみの改善
- 肩こりの改善
- 免疫力・抵抗力アップ
- ガン・糖尿病・生活習慣病のリスク減少
これらの効果に加えて、原因不明の痛みや体調不良がなくなった!という多くの声が上がっているようです。
グルテンフリーの効果を疑いながらも自分の中で改善したい部分がある人は、大好きなパンやラーメンを一度やめてみてはいかがでしょうか。
グルテンフリーのデメリット
いくらグルテンフリーが健康によいとはいえ、過剰な執着が逆に悪い結果を招いてしまうこともあります。
それは以下のようなことだと言われています。
- 米粉にこだわり、米粉スイーツや米粉パンなど「食事以外の不要なカロリー」を摂取してしまいがちになる
- 「グルテンフリー」と書かれた食品なら何でも魅力的に感じ、そこに含まれる砂糖や添加物を気にせず摂ってしまう
- グルテンフリーの炭水化物ばかりに目が行き、タンパク源となる食品や野菜などをおろそかにし栄養バランスの良い食事ができなくなる
せっかくの「病気を予防し、健康的な生活を送る」ための食事法であっても、上記のようなバランスの悪い食生活になってしまっては意味がありません。
グルテンフリーはあくまで「小麦を摂らない」というだけで、「代替品ならどんどん食べてよい」ということではないのです。
「グルテンフリー」をうたう加工食品も増えてきましたが、砂糖や油脂・化学物質などが含まれているものも多く、グルテンフリーだからといってヘルシーとは限りません。
グルテンフリーという言葉にすぐ飛びつくのではなく、原材料をしっかり確認することが大切です。
グルテンフリー・ヴィーガン・マクロビなど、現代は多種多様な食のスタイルがありますが、
どれを選ぶにしても「オーガニック」「無添加」など基本的な食のこだわりは変えず、砂糖をひかえめにし、タンパク質や新鮮な野菜・果物も忘れずに。
有害物質を避けてバランスの良い食生活を心がけることが、何よりも大切なのではないでしょうか。
グルテンフリーは無意味?
「毎日小麦を食べていますが体調不良などありません」というような言葉をたまに見かけます。
- お気に入りのパン屋さんがある
- 通っているラーメン屋さんがある
- 子供のために焼き菓子を作るのが愛情など
小麦をやめたくない理由があるためにグルテンフリーの効果を見て見ぬふりをし、「グルテンは無害だ」「グルテンフリーは無意味だ」などと主張する人もいらっしゃるようです。
グルテンによる影響は、今日食べたパンがその日の体調を狂わせるとは限りません。
そして今日グルテンフリーにすれば体調が戻る、というものでもありません。
ずっと蓄積されていったものが急に明確な症状となって体にあらわれることもあるのです。
今、自覚症状がないからと言って、グルテンを摂り続けているにも関わらず「グルテンフリーは効果なし」「グルテンフリーの効果は気のせいだ」と断言してしまうことは少々軽薄なのではないでしょうか。
なぜなら胃腸に負担がかかっていたり、体のどこかに異変が起きていたとしても自覚症状として出ない人もいるからです。
それを「症状がないから自分の体には合っている」と誤解してしまうこともあると思います。
「タバコの悪影響は禁煙してから分かる」と言われているのと同じように、一度グルテンフリーを実践してからでないと何も分かりません。
そして今は何も症状がないとしても、症状が出てきてからでは遅い場合もあります。グルテンフリーは、未来の健康貯金になるという一面も持っているのではないでしょうか。
グルテンフリーの効果を実感するためには
小麦グルテンによる症状や依存性が体から抜けるのに、2週間程度かかると言われています。
ですから「グルテンフリーが効果的、または効果なし」という事は、実際に実験してみた本人でなければ主張できないと思うのです。
周りに流されずに、まずは自分の身体で確かめてみて下さい。
- 小麦食品を1ヶ月以上、完全にやめてみる
- 1ヶ月以上やめていた小麦を、一度思いきり食べてみる
- このサイクルを何度か繰り返す
これらを繰り返すことによって、グルテンフリーの期間とグルテンを摂取した時、体調がどう変わるのかを比較して実感することができるでしょう。
最後に
周りに「パンを食べると幸せ~」と、毎日のようにパンをほおばっている人はいませんか?
それは「おいしいパンだから」だけではありません。グルテン中毒の可能性があります。
そして、子供は親を選べません。
愛するわが子に粗悪な小麦製品ばかり与えるのは、できれば避けたいものです。
しかし自分がどれだけ避けようとしていても、付き合いなどにより食べなければならない機会は必ずやってきて、そのような時に悩むこともあるかと思います。
私の個人的な意見ですが、明確なアレルギーなどの症状がないのであれば毎日必ず徹底し続ける必要はないと思うのです。(グルテンフリー効果確認の実験期間を除く)
基本の食生活をグルテンフリーにして、「イベントごとや友人との外出時は気にしない」などと自分なりの決まりごとを作っておくだけでも、体への害を減らすと同時に精神的負担も減るのではないかと思います。
とらわれすぎずに、小麦とも周りの人ともうまく付き合っていくことができるといいですね。

